宗教と宗教の《あいだ》

南山宗教文化研究所編

風媒社(名古屋)、2000年.

南山大学創立50周年と南山宗教文化研究所創立25周年を記念し、かつての研究所員、研究員総勢20名の寄稿からなる論文集。ヤン・ヴァン・ブラフト「宗教間対話の展望」を巻頭論文とし、「Ⅰ―交錯する宗教観」「Ⅱ―宗教と宗教が出会うとき」「Ⅲ―試みとしての哲学と神学」「Ⅳ―新たなる対話を求めて」の4部構成。巻末に「南山宗教文化研究所の歩み」「研究所の刊行物一覧」を収める。

「本書を通読して感じるのは、諸宗教間対話は決して容易なものではなく、本書の表題となっている「宗教と宗教の〈あいだ〉」は、深淵にも似た深さと広がりをもっているということである。しかし、グローバル化の進展のなかで、キリスト教、イスラムなどの大宗教を中心とした文化圏の衝突を説く物騒な予言が現れている昨今、この深淵をのぞき込みながら、そこに引き込まれずに対話の実践を精力的に続ける宗文研の努力は非常に貴重であるように思われる。」

山中弘、『比較文明』

「評者にとって興味ぶかいのは、「特殊と普遍をいかにうまく調和させるか」という難題への取り組みが、『キリスト教は仏教から何を学べるか』『宗教と宗教の〈あいだ〉』の諸論考に多種多様なかたちで見出されることである。この難題を解くことはきわめて難しい。しかしながら、こうした議論が「宗教観対話の〈場〉の構築にむけて」積み重ねられることが、今の時点ではなによりも大切だと考える。

 ……R・ローティも論じているように行き着く先はみえなくても、「語りかけ」「話し合い」(conversation)を自覚をもって積極的に継続することが、宗教間対話に現在たずさわっている人びとがなすべきことであろう。『キリスト教は仏教から何を学べるか』と『宗教と宗教の〈あいだ〉』はその貴重な記録の集積である。」

星川啓慈、『宗教研究』

送料込